最近のブンガク。
GW真っ最中、あまり外出もしていませんが、平日の疲れから開放されて家に居るだけで幸せなこのごろ。何もしないことから幸せを見出す楽しみもあるんですね。
そんな状況なので4月は通勤中に読む本も濫読気味。
4月後半に読んでいた本。
100年前に実際に起きた北海道の獣害事件。2日で7人の人が1匹の羆の犠牲になった実際の事件を小説に書き起こしたもの。
羆の被害の怖さよりも極限状態に追い込まれた人間の心理描写が生々しく、2011年の災害を目の当たりにして他人に責任を擦り付ける日本人と何一つ変わらない行動にああ、ってなります。
元々は皆荒れた土地を地道に耕してきた善良な人たちで、羆も運悪く冬眠に失敗して飢えを凌ぐために出たところに偶然開拓した村があった・・・という不幸な偶然に繋がっただけで、この物語に明確な悪の存在を求めることができないところも後味の悪さに繋がるのかなあと思ったりします。
そして今冒頭を読みはじめた本。
アカデミックな内容は通勤には重過ぎるか?と思ったけれど意外に面白い。
世界で起きる様々な事象を砂粒を落とし続ける山に重ね、積みあがる砂粒がどのように崩れだすのか、予知することは本当に不可能なのか?という展開にわくわくします。これからが楽しみです。